さよなら僕らのセレナーデ

作者九重 綾

窓辺に座る美しい女性は今日も遠くの海を見つめて髪を靡かせた。
向かいの小さな酒場で曲を奏でる僕らの音は彼女に届いているだろうか。
そんな名前も知らない彼女はある日突然姿を消した。
「今度こそ、この音を届けるために必ず君を見つけるよ」



窓辺に座る美しい女性は今日も遠くの海を見つめて髪を靡かせた。


向かいの小さな酒場で曲を奏でる僕らの音は彼女に届いているだろうか。


そんな名前も知らない彼女はある日突然姿を消した。




「今度こそこの音を届けるために必ず君を見つけるよ」




そしてどうか、この未完成なセレナーデに君の美しい歌声を乗せてくれはしないだろうか。