舞台用脚本形式のため、情景、人物描写は登場人物、ト書きからご想像ください。フィクションではありますが 史実+ファンタジーの要素がある為、一部センシティブな部分がございます。
大正十二年、夏。
日下龍之介。彼は触れた者の心が聞こえてしまう力を持っていた。そのため、恋人や友人の些細な小言まで、心にささり、心を閉ざし、一人、書をしたためる日々を送っていた。
そこへ幾度となく、探偵所の所員として誘いに来た、時の元老、西園寺公望。日下は自らを勧誘した理由を聞くため、重い腰を上げる。