先輩の瞳が好きだった、だけなのに。






たとえば、傘を振るだけで。

雨粒が飴玉にかわるみたいな。






先輩に魔法をかけられた瞬間、世界はキラキラと輝きだして眩しかった。






そんな飴玉を口の中で転がして、溶けていくまでの時間が好きだったのかもしれない。







なのに溶けきったら悲しくて。






ねえ、泣かないでよ。






空は鈍色、先輩の瞳は濡れていた。







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イナリ様主催『ドラマチックエンド企画』

表紙 イナリ様より

炯さま、素敵なレビューをありがとうございます。