偽の婚約者は過去の幻影を追い求める

作者水野恵無

「君なら僕を好きにならないから、君に婚約者役をお願いしたい」
お礼はすると言われて引き受けた婚約者役だったけれど、予想外に彼の両親には気に入られるし婚約指輪まで用意させられてしまった。



「君なら僕を好きにならないから、

君に婚約者役をお願いしたい」



そう頼まれて偽物の婚約者になった



彼は格好良くてスマートで、完璧だ


このまま長く一緒にいたら、私だって惹かれてしまう


でも

でも私は――





「見つかっちゃったな、俺の秘密」