伯爵家に生まれたシェリア・ハントは、しかしその容姿から娘とは認められず、幼き頃より虐待をずっと受け続けていた。
ある雨の日、不思議な少年に出会い、彼と別れる間際に約束の証としてラリマーのピアスをその耳に直接つけてもらう。
「必ず迎えにくる」という言葉を残し、シェリアはその少年と別れた。
それから10年。十八になったシェリアは突然の求婚に困惑しながらも相手が辺境伯からという理由で、そのまま嫁ぐことに。
寒い近い場所への移動。どのような人なのだろうと考えながら、シェリアは無自覚に期待していた。
しかし、自分を出迎えてくれた辺境伯、アーレン・ガルディオスは、シェリアを見て顔を険しくする。何か粗相でもあったのだろうかと思っていると、彼は、その美しい顔に嫌悪を乗せながらシェリアに向かって言い放った。
「――私を馬鹿にしているのか？」
と。
不幸体質で気の弱い少女
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初恋の少女を忘れられない青年
「……あのことは、言えないわね……」
すれ違いと思い込みの恋愛ファンタジー
