相川究(あいかわきわむ)は生まれながらの虚弱体質。
高校受験のシーズンにインフルエンザにかかり、志望校は受験することすらかなわなかった。
やむなく進学した地域一番のあほ高では、もちろん友達なんかできない。
マッドな研究者の親は、愛情を注げない代わりに金銭の不自由だけはさせないと言い、バンドルカードで自由に買い物ができるから、休み時間はもっぱらひとりで通販サイトを見て過ごす。
そんなある日、クラスの陽キャ代表みたいな男・甲斐大河(かいたいが)に話しかけられ、うっかり自慢話をしてしまう。
すると大河は、俺のアカウントで勝手にちょっとえっちな漫画を買ってしまう。
やむなく一緒に読んだりしているうちに、親しくなるふたり。ひとりの殺風景な家は大河が勝手に頼んだもので賑やかに。
しかしある日コンビニで大河が他の仲間に「友だちではない」と言うのを聞いてしまう。
いつものように頼んだものをとりにきた大河をそのことで責めてしまう究。
「おまえが俺みたいなのと友だちと思われたら嫌かと思って」と告げる大河。
究は脱力し、大河を再び家に上げる。通販で簡単に買えないものの扱いは難しいと思いながら。
正反対のふたりの、いびつでほっこりな友情の物語。