ストーリー概要および物語の設定


中川澄絵は美術短期大学を出てからバイオ大学に進学した。アニメーション部で、信濃純哉と出会う。彼の出身地秋田へ夏休みに訪問し、結婚を決意する。社会人となった彼の近くへ行く為、弘前の国立大学院へと進学先を変えた。大学院生一年の秋に結婚するも、病気が悪化し休学を余儀なくされる。二年も引きこもりながら、夫の支えがあり、幾度もの入退院をし、転居により病院を変えつつも通い続けて、ゆるやかに寛解して行く。流産をしたときの白く固まった自分。子を授かったときの天使がいる自分。病魔との闘いで寝ながらミルクを与えたり、楽しみは歌を育児に取り入れたりした。東日本大震災のとき、入院していたので、夫に携帯で生きているかと聞いたときのレスに安堵した。医師との面会に夫が来たのは切なかった。退院後、幼い子を置いて、東京の病院へ行く為に秋田を去り悔やんだが、後に夫と子ども達が東京へ来てくれて、新しい家族が始まった。子どもの特別なトレーニングをしに通院もした。保育園から中学校までの道程を振り返ると、私は夫の携帯レスポンスなくしてはやって行けなかったと思う。五十歳になりセックスレスでも夫婦間のあたたかさは寧ろ増したようだ。