【完結済】40歳88キロの私が最高の溺愛家族を作るまで

作者和泉杏咲

もうすぐ40歳、体重は88キロ、職業は派遣デザイナーの森山優花。かつて婚活を頑張ろうとしたこともあったが、今では諦め、老後の計画を始めていた。そんなある日、同じ部署で働く美夜子から婚活パーティーに誘われる。そこには、優花にとって運命を大きく変える出会いが待ち受けていた……!

氷室樹(ひむろ いつ…

もうすぐ40歳。

身長155cm、体重は88キロ。

数字だけで見れば末広がりで縁起が良い数字。


仕事はそれなりレベル。

友人もそれなりにいます。


美味しいものはそれなりに毎日食べます。

つまり私は、それなりに、幸せを感じられる生活を過ごしていました。

これまでは。


だから、これ以上の幸せは望んではダメだと思っていました。

もう、王子様は来ないだろうと諦めていました。


恋愛に結婚、出産。

それは私にとってはテレビや、映画のようなフィクションのお話だと思っていました。


だけど、運命は私に「彼」をくれました。


「俺は、そのままのお前が好きだ」


神様。

私は本当に、彼の手を取っても良いのでしょうか?

もし一度手に取ってしまったら、私はもう二度と戻れなくなってしまうのではないでしょうか?

彼を知らない頃の私に。






それが、とても……とても怖いのです。