魔法犯罪取締局・ケルベロス―記憶の廻廊―

作者雪白楽

▶ストーリー概要および物語の設定


 貴族である魔法使いと、平民である人間の共存する世界。横行する差別犯罪を取り締まる組織・ケルベロスに所属する主人公サミュエルは、長年の相棒フェリックスと共に貴族界の闇に葬り去られた、ある事件を追い続けていた。二人はサミュエルの幼馴染でフェリックスの母である女性ディアナをその事件で失っており、一家壊滅の末フェリックスは奴隷取引にかけられていた所をサミュエルに救われた過去を持つ。


 ある日、ケルベロス局長・ドルレアックに呼び出された二人は、先日検挙された奴隷取引組織のアジトを捜索するよう命じられる。フェリックスが発見した隠し部屋から、組織の取引履歴から思いもしない黒幕を引き当てたサミュエルだったが、その矢先にフェリックスを人質に取られてしまう。しかしながらフェリックスは自ら記憶を失ったことで早々に解放され、彼の記憶の手がかりを追い始めたサミュエルは、同時にディアナを失った事件の真相へと近付いて行く。


 過去と現在が結びつき真実が明らかにされた時、大切な全てを天秤にかけて残るのは、失われた最愛の復讐か、まだ見ぬ未来か。優しい痛みと愛で繋がる二人の、喪失から始まるブロマンス・ファンタジー。