私は夢を見ていた。何の夢だろうか、とても気分が良い。
今私は、第二子の臨月であり、お腹が重くてやたら眠い。
真っ白い空間のぼやっとした霧がかかったような場所で、
とても大きくて重厚な円卓を10人くらいの人達が囲んで議論をしている。
まるで自分の職場の幹部達の会議を遠巻きに眺めているような感じでもあるが、
決定的に違うのは、議論している人達が全員白くて長い貫頭衣のような服を腰ひもで絞めた、
そう、まるでオリンポスの神様達のような装いをしていることだ。
「さあ、そろそろ、この子の行く先をきめよう」
長髪で長のような人がまとめに入った。
長の発言を受けて、右隣の口髭の立派な人が
「そうだな、この子は生まれつき身体の故障もほとんど無いから、立派に育ってくれるだろう。
この子は日本のこの夫婦のもとに委ねることが良いと思うが」
そう言いながら、長い口髭を撫でた。
円卓を囲んだ人達はそれぞれが頷いて、異を唱えるものは誰もいなかった。
長は目を閉じて少しの間沈黙したあと、大事そうに両手の手のひらで抱えたまばゆい光の玉に向かって話しかけた。
「柔和でおだやかなこの尊い授かりものこそ、天から授かった
「さあ、幸せになっておいで」
(…………)
私は、ただ不思議な感覚の中、その光景を俯瞰しつつ、そのまま再度深い眠りに落ちたのだった。