夢幻の飛鳥~いにしえの記憶~

作者藍原 由麗

600年代の飛鳥時代。

稚沙は大王の炊屋姫の元に女官として仕えていた。

そんな中彼女は、蘇我馬子の甥にあたる蘇我椋毘登と知り合う。

だが自身が、蘇我馬子と椋毘登の会話を盗み聞きしてしまったことにより、椋毘登に刀を突きつけられてしまい……


大和王権と蘇我氏の権力が入り混じるなか、仏教伝来を…

時は600年代の飛鳥の時代。


稚沙ちさは女性皇族で初の大王おおきみとなる炊屋姫かしきやひめの元に、女官として仕えていた。

彼女は豪族平群へぐり氏の額田部ぬかたべ筋の生まれの娘である。


そんなある日、炊屋姫が誓願を発することになり、ここ小墾田宮おはりだのみやには沢山の人達が集っていた。


その際に稚沙は、蘇我馬子そがのうまこの甥にあたる蘇我椋毘登そがのくらひとと出会う。


だが自身が、蘇我馬子と椋毘登の会話を盗み聞きしてしまったことにより、椋毘登にいきなり刀を突きつけられる。


その後厩戸皇子うまやどのみこの助けで、何とか誤解は解けたものの、互いの印象は余り良くはなかった。


そんな中、小墾田宮では炊屋姫の倉庫が荒らされる事件が起きてしまう。

そしてその事件後、稚沙は椋毘登の意外な姿を知る事になって……



大和王権と蘇我氏の権力が入り混じるなか、仏教伝来を機に、この国は飛鳥という新しい時代を迎えた。


稚沙はそんな時代を、懸命に駆け巡っていくこととなる。


それは古と夢幻の世界。

7世紀の飛鳥の都を舞台にした、日本和風ファンタジー!



※推古朝時に存在したか不透明な物や事柄もありますが、話しをスムーズに進める為に使用しております。(木簡の使用、女官の仕事内容(律令制以前の時代の為))


※蘇我椋毘登について

彼は蘇我氏に名前が残っている人物です。

彼の父親は小祚(臣)、さらに息子は耳高(岸田臣)と言います。


※2022年10月10日

53Pの「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す、恙無しや」以降の文章を少し訂正しました。

※2022年10月12日

14Pの稚沙の仕事説明の部分を訂正。