通称『四丁目』と呼ばれる大歓楽街では、


常に複数の暴力団組織が水面下で縄張り争いを繰り広げている。


その中で最大勢力を振るっているのが

指定暴力団 叢雲(むらくも)会。


その叢雲会において、

中堅幹部の立場でありながら、


『叢雲を背負う男』


の異名を持つ男がいる。


私が…

いざこざが絶えない四丁目――。



しびれを切らしたエリート警察官がついに動き出した。



県警・所轄が合同となって四丁目の一斉摘発を狙うその裏で、



今まで馴れ合うことのなかった四大勢力の中堅幹部達が一堂に会した。



男達が集う最大の目的は国家権力に対抗することではない。



その陰でなりを潜めている密偵ネズミをあぶり出すべく、男達は心理戦を繰り広げる。




その舞台となるのは、叢雲会が経営する高級クラブ



la vieラ・ヴィ




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叢雲会 竹田たけだ (36)


錦織組 立松たてまつ だい(32)


巻菱会 堂安どうあん たける(34)


穂高組 しゃく 夜人よひと(29)



男達の共通の敵は、



『四丁目一掃作戦本部』

管理官 若狭わかさ 遼一りょういち(35)



我が道を行くクセのある男達の集まりが

スムーズに運ぶはずもなく、


不毛な探り合いの末、会合は解散。



そして、


その会合を発端として新たな展開が起こる――。





人生で初めて、本気で欲しいと思うものを見つけた。






「私を、あなたの女にしてください」



「俺を手に入れたかったら役に立つ女になれ」






誰も独占することのできない男。


少しも心を見せてくれないあなた。



私は、どうしても手に入れたい。



捨て駒と言うのなら、その役割を全うするのみ。



私は、使える女になる。





「それがうちのやり方だ」



――最後に笑うのは誰だ?