帝都あやかし蒐集録ー三文文士は怪異を綴るー

作者雪嶺さとり

ストーリー概要及び物語の設定


大正十六年、怪異溢れる華やかな帝都。

十八歳の青年御厨小鞠みくりやこまりは術師の家系に生まれながら、出版社である文楽社ぶんがくしゃに勤めている。

本来なら小鞠は術師になるはずだったが、父が賄賂を受け取ったり悪事に手を貸している事実を知り、正義感の強い性格により父に従うことが出来ず家を飛び出したのだ。


友人の紹介により文楽社の朝凪あさなぎという編集者と出会い、彼の元で見習いとして働き生計を立てている小鞠であったが、ある日、「椿凛世つばきりんぜ」という名の小説家の手伝いをするよう朝凪から頼まれる。

椿は主に怪奇小説を執筆している作家で、一部の層から人気を得ているが、締め切りを守らないそうで朝凪は彼に困らされていた。


椿に締め切りを守らせるために小鞠は派遣されるが、対面した椿は態度の悪い偏屈な男であった。

しかし椿は、術師ではないのに小鞠同様にあやかしや怪異を見ることが出来、術も操れる不思議な男でもあった。

椿が書く小説は、椿の怪異にまつわる実体験が元になっているのだと椿は言う。

あやかしや化け物の物語を綴ることで、怪異そのものを封じ込める「怪異綴り」という術を使い執筆をしているのだった。

椿は小鞠を怪異退治に役立つだろうと見込み、小鞠は小説の元になる怪異探しを手伝わされることに。