夫の椎名一臣が死んだ。
まさかこんなにも早く終止符が打たれるとは朔美も思わなかった。

一臣の通夜には、たくさんの人が訪れた。その中に、彼。村上桃也がいた。
桃也は一臣との共通の友人で、大学で出会ったのだ。

通夜で一人になった朔美に桃也が言う。
「…好きだよ。」
次の瞬間、あ、と桃也が間抜けた声…