水瀬朔司(みなせ さくじ)とその息子、一臣(かずおみ)。そして朔司の姪の玉森蒔乃(たまもり しの)は一緒に暮らす家族だった。否、家族と言うには些か歪な形をしていた。
『自分を噛むぐらいなら、僕を噛みなさい。』
耳の聞こえない朔司から与えられた言葉に甘え、彼の首筋の柔肌にその犬歯を立てる蒔乃。蒔乃は…