昔々、神様が落とした血は彼らを進化させた。

人間よりも優れ、人間よりも魅力的な彼らが世界を牛耳るのは当たり前のことだった。

彼らは、その絶対的な存在故に子孫を残すことを重要視していた。その風習の名残から今世も、彼らの伴侶が選定される。


彼らの伴侶となるのは、幸福なことなのか、はたまた不幸な…





”かの方”が言った。



『人間は面白くない。』



権力を欲し争いが絶えず、同族を殺戮して楽しむ。その繰り返しだ。そんな人間は面白くない、と。



そこで”かの方”は気がついた。



『ああ、こうすればいいのか。』



地上に落ちた【天上の血】は、2人の人間に力を与えた。



”かの方”に選ばれた人間はこう呼ばれている。




ーーー誉人ほまれびと



その血を与えられた者の一族には栄光がもたらされたという。



それは、ただのおとぎ話に過ぎないのか?