「無能な名無し」と呼ばれ虐げられて育った鈴(すず)は、異母妹の使用人として巫女見習いが集う女学院に通っていた。
しかし巫女選定の儀で、冷酷無慈悲な氷の貴公子と名高い龍神・竜胆(りんどう)に選ばれたのは、巫女見習いでもない鈴で……?
「ああ、やっと見つけた。〈青龍の巫女〉……いや、俺の唯一の〝
「…………っ」
「今日から君は俺のものだ。これから先、俺から片時も離れることは許さない。いいな?」
「そ、その……、なにかの間違い、です。私は、巫女見習いでは……っ」
「俺にとって、君が君でありさえすればいい」
竜胆は少女の意識を絡め取るように、青い瞳で見つめる。
そして、そうするのが当然のように唇を奪った。
「嫌だと言うのなら、今すぐ君を
これは不遇な人生を歩む少女が現代で神の番様(つがいさま)に選ばれ、奪われていた大切なものを取り戻し、たくさんの幸せを掴む和風シンデレラストーリー。
■2023.08.23 編集部のおすすめ作品として掲載されました
■おかげさまで書籍化が決定いたしました!ありがとうございます!