迷信や怪しい新興宗教などを取り締まる特務隊の軍人 甲矢(はや)は、狐憑きと噂される令嬢の華子(はなこ)の調査を依頼される。
狐憑きは迷信だと疑わない甲矢だったが、華子の周りでは確かに不可解な事が…。
そんな華子とひょんな事から契約結婚する事になるのだが、甲矢もまた、出生に抗えない事情を抱えていた。




文明開化も少し昔の事になり



伝統と異国文化が混ざる帝都 大和やまと




経済も科学も発展し



人々の心は自然や神仏から離れつつあるが



同時に



怪しげな新興宗教や霊感商法が後を絶たない






それらを取り締まる軍人 甲矢はや



神仏を大切にする令嬢 華子はなこ





帝都に現れた傷を抱えた二人






目に見えるものと見えないもの



虚実 共に存在する世界で





見えるものしか信じない者



見えない力に守られる者





まさに水と油




相反する ふたりは




互いを通して




自分を見つめられるのか




他人を


自分を




愛せるのか