スノードロップー雪の雫ー

作者runb_neco

突然、見つけた花屋
その花屋には隠された秘密があった。
その秘密を知った僕は…。

スノードロップー雪の雫ー


一月一日、私はこの世を去る。

あなたを置いて残して。


今日はクリスマスイブの日。

僕は残業を終えて帰路につく。

たまには違う道から帰ろうと今日は遠回りをした。

しかし、それが不幸を招くことになった。


私は晩御飯を作りながら彼の帰りを待っている。

「今日は彼の好きなビーフシチュー!うふふ!」

残業があるからと言っていたが帰りが遅い。

今日はクリスマスイブなのに何をしてるんだろう。

「ビーフシチュー…冷めちゃうな…。」

時刻はそろそろ零時を迎えようとする。

だが、私は彼を待っている。


帰路の途中、不思議な花屋を見つけた。

「こんな時間なのに店が空いてるなんて珍しい。」

僕は好奇心でその花屋に入った。

すると、一人のおじいさんがいた。

「こんばんは!こんな時間までお店開いているんですね」

すると、おじいさんは「この花を買い取ってくれる人が来るまでずっと開いておる」と言った。

僕はその花を見た。

「スノードロップ…素敵な名前ですね。それ僕が貰います!」

僕は名前と綺麗な白い花の見た目だけでそれを買った。

きっと喜ぶだろう。そう思いながら。


「遅いーーー!!一体何をしてるのー?」

時刻は零時を回った。

彼からの連絡はなし。

私は眠気に襲われながら彼をひたすら待つ。

すると、彼がやっと帰ってきた。


「ただいまー」

「おっそーい!もうクリスマスの日だよ!」

「ごめん、残業が長引いちゃって」

「今日はあなたの好きなビーフシチューだよ!」

「お、それは楽しみだな。」

「って、それ何?」

私は彼の持っている花に目を向けた。

「あ、これ帰り道の花屋で買った花だよ。」

「へぇ~こんな時間までやってるんだね!」

「スノードロップって言うらしい。やるよ!」

「え、いいの?ありがとう!綺麗なお花。」

私は白くて綺麗なこの花を気に入った。

まさかあんな事が起こるとは知らず…。


そして、私は毎日スノードロップのお世話をした。

「今日も残業遅くなるわ」

「えー、分かった…。気をつけて行ってらっしゃい!」

今日は、大晦日だ。

こんな日まで仕事頑張るなんて彼はすごいなと感心していた。

「よし、私も大掃除でもするかー!」


僕は残業が終わりやっと帰れる時間になった。

「もう元旦か…彼女に悪いことしちゃったな。」

僕は急いで家に帰る。

「ただいまー」

いつもは「おかえりー」と返事をする彼女

だが、この日は返事が何も無かった。

「帰ったぞ。風呂にでも入ってるのか…?」

僕は家中を探した。

すると、キッチンで倒れている彼女がいた。

「おい!大丈夫か??しっかりしろ。」

だが、彼女はもう息をしていなかった。

「早く救急車を…」

と、僕は机の上のスノードロップが折れてることに気づく。

「あれは彼女が大切に育てていた花…」


病院に連れていかれた彼女。

だが、彼女は今日息を引き取った。

「どうして…俺を残して…行っちゃうんだよ…」

きっと彼女が生きてたらこういうだろう。

「泣かないで!あなたが泣くと私も悲しくなる。私はあなたといれて幸せだったよ。でも、もっともっと一緒にいたかったな。あなたを置いて旅立ってしまってごめんなさい。今でもあなたを愛しています。」


僕は空っぽになったような家に着きボーっとした。

残されたのは机の上に置いてある折れたスノードロップだけだ。

「そういえば、この花の意味なんなんだろう…」

僕は速攻調べた。すると…

「あなたの死を望みます…そんな…くそっ!!」

僕はあの日、なにも考えずにこの花を買ったことを後悔した。

その場で膝を崩し一人泣いた。


「泣かないで…。」

すると、いきなり彼女の声が聞こえてきた。

「私はずっとあなたのそばにいるよ。姿が見えなくてもここにちゃんといるよ。この先もずっとあなたの事を見守っているよ。」

僕は彼女に謝った。

「ごめん…。僕があの花を買わなければ…お前にこんな目に合わせずに済んだのに…」

「そんな事言わないで!私はあなたといれてすごく幸せだったよ。お花もくれて嬉しかったんだから。あなたはこれから幸せになるべきよ。後悔…しないでね。ずっとあなたを…愛してます。」

僕は涙が止まらなかった。


あれから十年後。

僕は今でも彼女の事を思い続けている。


スノードロップの花言葉『あなたの死を望みます 』。