Diary ~あなたに会いたい~ 【前編】

作者橘 弥久莉

偶然立ち寄った花屋の店員に恋をした「僕」と、偶然Barで出会った彼女とひとときの恋を楽しむ「俺」。別々の恋が運命の悪戯で絡まってゆく、ヒューマン・ラブストーリー


美しい人だった。


「白いお花でいいですか?」


柔らかい陽だまりの中で彼女が笑う。


真っ白なシャツに黒いエプロンが映えて


眩しかった。


「はい」


僕はただ、頷くことしか出来ない。



一昨日はほんの偶然で、


今日は、あなたに会いに来たのだと-----


ついに、僕は伝えることができなかった。



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※この物語はフィクションです。


 登場人物・団体名は実在しません。