「君の声を、君の言葉で聴かせてよ」
彼は何も知らず、いや、
何も知らないからこそそう言ってくれたのかもしれない。
初めてだった、声が出せなくなったあの日から、
私にこんなにも深く関わろうとした人は。
彼が知らずに口にした言葉は私の心の深いところに留まった。
そのときは戸惑ってしまって、上手く言葉を返すことも、
態度にも出すことはできなかったけれど、嬉しかったよ。
彼が私にかけてくれた言葉は、
踏み出すきっかけを与えてくれた。
それだけじゃない、彼がいてくれたから、
私は色んなことを知って、大切なものを得ることができた。
感謝してもしきれないほどに、感謝している。
上手くまとめられはしないけれど、いつか伝えられるだろうか。
「君の想いを、君のその唇で解き放たせて。俺はどんな言葉だって受け止めるから」
その言葉はあまりにも、○○。