作品コメント
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- 龍谷 新生
『ほしまつり』とは一体何か?
意図して書いているのだろうか、所々で現れる小道具や使われる単語などから良い意味での古めかしさを感じ取ることができる。
これが何とも言えない居心地の良さを作り出していて、申し分なくノスタルジックな雰囲気を肌で味わえる作品だ。
また0章の存在はこの作品を語る上で外せないことも付記しておこう。
完成度は非常に高い。
だが、この作品の『欠点』を上げるならば、それは『インパクトに欠けること』だろう。
突出したイベントがないため、地球規模のド派手なストーリーや、報復絶倒のコメディを読みあさる人たちには堅苦しくて退屈な物語でしかないかもしれない。
しかし、それは逆に言えば『腰を据えてじっくり読みたい人』にとってはこの上ない良作だということでもある。
そうはいっても決して地味というわけでもなく、文学を楽しむ方法を知っている方たちならば間違いなく満足できる作品に仕上がっている。
そしてラストはほろりとさせるシーン。
同じような思いを抱いた方もいるだろう。きっと感傷的な気分に浸ることができるはずだ。 - 錬徒利広
交錯する思惑の先に
私はこれを読んで非常に驚いた。
ケータイ小説に、こんな質の良いものがあるなんて。
物語の掴みの部分から最後まで、首尾一貫して美しい構成であり、また巧みな文章力が見受けられる。竜頭ではあるが、決して蛇尾にはならない。
また、読み直しても新たな発見がある、噛みしめれば噛みしめるほど作品の良さが増す逸品であると思う。
副題をつけるとしたならば、「真夏の夜の夢」といったところだろうか。
とにかく、私が多くを肯定化することのできないモノが、この小説にはぎっしりと詰まっている。
エンターテイメント性ももちろんだが、文学性も高い。ケータイ小説を読みなれている者には一見難解な物語であると思うが、一度読んで、それから何度も何度も読みなおしてみたくなる作品である。
プリン杯優勝も頷ける。グレイト! - 玖妙夢堂
夏の夜の夢☆
夏季特別課外授業に参加した少年の…不思議で美しい物語..
「ほしまつり」という…魅力的で,同時に懐かしい響きのあるイベントの扉が,少しずつ開かれてゆきマス..
BGMには祭囃子と虫の声,広がる甘いソーダと星と万華鏡…少年達の約束と別れと,夏の終わり..
穏やかで幻想的なストーリーが,着実で巧みな表現で描かれていくお薦めの逸品デス..☆ - 彬(AKIRA)
素晴らしい!
何という文章力だろう?
情景を美しく描き
それが押し付けがましい訳でもなく
そっと読み手の手を引くように
その世界に招き入れる。
しかし…読み手を選ぶ。
簡単な文章に慣れ親しんだ者には
辞書を片手に読む作品であろう。
たった28ページの作品だが
そこに凝縮されたモノは遥かに多い。
世に小説は溢れているが こんな作品こそが多く読まれるべきだと思う。
私はこの作品を読んで 頭を殴られた様な衝撃を受けた。
簡単な文章に飽きた貴方…
この作品は きっと貴方を満足させるだろう。 - 水樹ゆう
夏の夜の幻想譚
■ある夏の日、一人の少年が「ほしまつり」を体験する物語です。
作品全体から、どこか懐かしい児童文学の香りが漂ってきます。
幻想的で、まるでセロハン越しに見ているようなノスタルジックな世界観に、思わず自分の子供の頃を思い出して、とても懐かしい気持ちになりました。
作品構成は無理が無く自然ですし、文章も書き慣れていらして、読みやすいです。
『ケータイ小説』と言う枠に囚われない作品だと思いました。
ただその分逆に、ケータイ小説を読み慣れた読者には、馴染みが薄い文章かもしれません。
少年が体験した「ほしまつり」とは何なのか?
ご覧になっては如何でしょうか。 - 蜜咲 アヤ
少年の夏の記憶
思い出す。
何を?
あの『ほしまつり』を。
ゆうるりと夏が動く。
少年達の夏。
その夏の記憶は儚く、そして触れれば壊れそうなほど脆い。
甘いソーダの味も、万華鏡も、確かに覚えているのに。
少年の心に色濃く残る夏の厳かで静かで熱っぽい空気。
最高の作品です。