緑茶

薄汚れた純情
同級生より一足も二足も先に社会人になったシオリ。やりがいは感じながらも、社会という“大人”の中で過ごす日々に焦りを覚え、もがきながら全力疾走する毎日。

かといって、同級生と話しても学生と社会人の間に絶対的な壁を痛感し、焦りより失望を感じてしまう…。

ディティールに拘った、隅々まで神経の行き届いた作品です。

主人公の仕事もそうですし、それぞれの設定が凄く細かいのでリアリティがあります。

たまに拘りが強すぎるかな?と、思わず飛ばし読みしたくなるような長文もありますが、主人公の必死な心情を現すには必要で、技が活きてる、とも思います。

薄汚れた世界で薄汚れた自分を薄汚れたスーツで包む主人公ですが、薄汚れた場所で美しい人に出会い、美しい恋をします。

キスの表現に好き嫌いはあるかも知れませんが、カズトさんの優しさに隠した一途な想いも、一心不乱な姿勢も、それに絆されてゆくシオリも、私は純粋で美しいと感じました。

ドラマを見ているような感覚に陥り、最後は微笑ましい二人に心が暖かくなります。

泥臭い社会人の子供みたいに純粋な恋愛を是非お楽しみ下さい♪