<作品紹介>
もう、いいかい。
まあだだよ。
私は探した……
死に場所を。
うのたろうpresents
こわくないホラー
短編小説『ひとり鬼』
ちょっと不思議で切なくて、心がほっこりあたたまる、私と少年の一日。
コンビニで買ったいなり寿司は、わずかな冷気と酢のにおい、そしてほんのり甘いかおりがした――
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全53ページ/完結済み
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- 最終更新日
- 2011/06/25
- 作品公開日
- 2011/06/22
- ページ数
- 完結 53ページ
- 文字数
- 17,604文字
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作品コメント
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- 豪鬼
解りやすい 大体話の流れは「キスおと」と似ている。今回は相手が少年に変わっただけだ。 まず、出だしから共感できないことの連発。会社をリストラされたから死にたくなる気持ちは解る。しかし、残される妻子はどうなるの?主人公のあまりに身勝手な行動に共感できず、更に落としたお稲荷さんを社にお供えする行動はひく。 致命的が少年の正体。伏線が解りやすい。もう少しひねって欲しかったと言うのが正直な感想。 生きていればいつか笑える時期がくると言っていたが、努力しないと無理。少し無責任さを感じた。 本当に自殺をしようと考える人間は妻子など恵まれた環境にいない。借金地獄や少し前に話題になった年越し派遣村で過ごすされたような住む家さえも今日食べる物さえも不安を抱かえているような奈落の底に落とされた人が考える行為でこの作品はややリアリティーに欠けてる気がした。貴方がもしその人らを希望に導けるなら貴方は本物だと思います。 今後に期待します。
- 緑茶
限りある命 こわくないホラー とありましたが、狐面が取れた時、ぼんやり素顔が予想出来ていたにも関わらずゾクッとしました。 リストラ宣言された時の主人公と課長との距離感、公園で見た蝉の死骸と落ちたおいなり、謎の少年との会話…… 全てが“いのちのやりとり”で、その描写が流線のように滑らかで美しかったです。 人間は、他人から見たら些細な事で死にたくなる。生まれてくるのに10ヶ月もかかるのに、死を選ぶのは一瞬だったりする。 家族が居ても生きる糧にはならず、この世界に未練も無い主人公。止めたのは自分より不幸だった、或いは同じように不幸な“過去の自分”。そしてそれは人ならざるモノ。 悲しい、と思いました。 ひねくれ者の私はこのお話を読んで「死にたくなる程の辛さなど一過性のモノなのだから、食って寝て、とりあえず今日を生きて明日を見てみよう」という前向きな気持ちにはなれません。 しかし、己から死を選ぶという事は、少なからず愚かしい事なんだよね、と天を仰ぐ気持ちになりました。 死にたい時に読むと言うよりは、心にゆとりがある時に読み、生きるという事、死ぬという事について考えさせられる作品だと思います。
- 緑
地に足をつけて歩いて行こう 初めに断りを入れておきます。レビューとは批評であるので、私が書いたこれはレビューではなく只の感想です。申し訳ありません。 「辛い」とは何なのだろうか。人それぞれで基準は異なるだろう。 「世界」とは何なのだろうか。人それぞれで捉え方は違うだろう。 主人公と少年の「絶望」は違っていた。「世界」も異なっていた。そんな辛さや空間は、他人から見れば「何だそのくらい」と思われるかもしれない。「ちっせえなあ」だなんて揶揄されるかもしれない。だけれどその辛さは本人にしかわからないものなのだ。だが得てして作者が書きたかったのはそれを越えての決意なのである。 青臭い私には、まだ知らないことがたくさんある。それを知らずしてできた世界は箱庭同然なのだ。私達はそれを打破しなければならない。だって私達が知ってる世界なんてたかが知れてる。 世界は美しくも残酷かもしれない。悲しくも麗しいかもしれない。何もかもが可能性の中、その現状を甘んじて受け入れるか、先も分からない道をただ只管に走るのかは私達次第なのだ。 人生は決められる。