作品コメント
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- 豪鬼
解りやすい
大体話の流れは「キスおと」と似ている。今回は相手が少年に変わっただけだ。
まず、出だしから共感できないことの連発。会社をリストラされたから死にたくなる気持ちは解る。しかし、残される妻子はどうなるの?主人公のあまりに身勝手な行動に共感できず、更に落としたお稲荷さんを社にお供えする行動はひく。
致命的が少年の正体。伏線が解りやすい。もう少しひねって欲しかったと言うのが正直な感想。
生きていればいつか笑える時期がくると言っていたが、努力しないと無理。少し無責任さを感じた。
本当に自殺をしようと考える人間は妻子など恵まれた環境にいない。借金地獄や少し前に話題になった年越し派遣村で過ごすされたような住む家さえも今日食べる物さえも不安を抱かえているような奈落の底に落とされた人が考える行為でこの作品はややリアリティーに欠けてる気がした。貴方がもしその人らを希望に導けるなら貴方は本物だと思います。
今後に期待します。 - 緑茶
限りある命
こわくないホラー
とありましたが、狐面が取れた時、ぼんやり素顔が予想出来ていたにも関わらずゾクッとしました。
リストラ宣言された時の主人公と課長との距離感、公園で見た蝉の死骸と落ちたおいなり、謎の少年との会話……
全てが“いのちのやりとり”で、その描写が流線のように滑らかで美しかったです。
人間は、他人から見たら些細な事で死にたくなる。生まれてくるのに10ヶ月もかかるのに、死を選ぶのは一瞬だったりする。
家族が居ても生きる糧にはならず、この世界に未練も無い主人公。止めたのは自分より不幸だった、或いは同じように不幸な“過去の自分”。そしてそれは人ならざるモノ。
悲しい、と思いました。
ひねくれ者の私はこのお話を読んで「死にたくなる程の辛さなど一過性のモノなのだから、食って寝て、とりあえず今日を生きて明日を見てみよう」という前向きな気持ちにはなれません。
しかし、己から死を選ぶという事は、少なからず愚かしい事なんだよね、と天を仰ぐ気持ちになりました。
死にたい時に読むと言うよりは、心にゆとりがある時に読み、生きるという事、死ぬという事について考えさせられる作品だと思います。 - 緑
地に足をつけて歩いて行こう
初めに断りを入れておきます。レビューとは批評であるので、私が書いたこれはレビューではなく只の感想です。申し訳ありません。
「辛い」とは何なのだろうか。人それぞれで基準は異なるだろう。
「世界」とは何なのだろうか。人それぞれで捉え方は違うだろう。
主人公と少年の「絶望」は違っていた。「世界」も異なっていた。そんな辛さや空間は、他人から見れば「何だそのくらい」と思われるかもしれない。「ちっせえなあ」だなんて揶揄されるかもしれない。だけれどその辛さは本人にしかわからないものなのだ。だが得てして作者が書きたかったのはそれを越えての決意なのである。
青臭い私には、まだ知らないことがたくさんある。それを知らずしてできた世界は箱庭同然なのだ。私達はそれを打破しなければならない。だって私達が知ってる世界なんてたかが知れてる。
世界は美しくも残酷かもしれない。悲しくも麗しいかもしれない。何もかもが可能性の中、その現状を甘んじて受け入れるか、先も分からない道をただ只管に走るのかは私達次第なのだ。
人生は決められる。 - よんり。
主観的と客観的
主人公が受けた、自殺を考える出来事。
自分にあるのはその道しかないと思い、
躊躇いもなくその場所を探して向かう。
だけど、途中で出逢った‘子ども’とのやり取りで、客観的に‘そのこと’を見たとき、
違う想いが湧き起こって、これから先の生き方を考え直す。
辛く苦しい出来事は永遠じゃない。
必ず過ぎて笑える時が来る。
そんなメッセージが込められてると感じました。 - めぐり飛空
人の死は、今や軽いスナック菓子だ
ホラー。
確かにホラーでした。
しかし、それ以上に心を刺激してくる人間ドラマにとても惹かれました。
主人公はリストラされた中年の男性。
しかも自殺を考えている。
「人の死は、今や軽いスナック菓子だ」
この文章がとても心に残りました。
暗い内容ではありますが、自分の心の葛藤と希望を見出す過程は、短編であるのにもかかわらず機密に構成されていました。
すんなりと物語を進めていく、完成された文章。
計算された話の流れ。
どれをとっても作者様の才能を感じさせられます。 - 真冬
ホラーでもあり、人間ドラマでもあり
最初、私とあるので、女性が主人公だと思いましたが、中年の男性だったので、少し、驚きました。
自分を私と語らせることで、
この男性が普段、どれほど仕事で取引先の方に頭を下げて回っていたのかが物凄く感じられました。
それほど会社の為に頑張ってきたにも関わらず、無情にもリストラ。
とても考えさせられる作品でした。
お稲荷様をはじめ、神仏共々、それらが存在するのなら、もしかして、この作品のように、この世の者を助けたがっているのでは?
ただ、こちらがそれらに目を向けないから、気づかない、何も感じない。
大金を天から降らすことではなく
考え方を変える小さなきっかけだけで
開ける人生がある。
目に見えないものを信じ、騙され続けてでも、幸せだと感じる人生ならそれでいいのかも知れない。
このように深く深く考えさせられる作品でした。 - 姫橘 あおい
こういう怪奇現象なら 大歓迎
完成度の高さに驚き、そして
感動すら覚えました。
うのたろうさんが とても
繊細な心の持ち主ということが
作品のアチラコチラから うかがえます。
“お稲荷さま”
私はいると信じていますから
とても好きな作品のひとつに
なりました。 - あい
ホラーですが暖かいです
作者さんの書いているとおり、「怖くないホラー」です。
ドキドキしながら読んで、最後には心が温まります。
優れた短編ミステリーだと思います。
落としたいなり寿司をお供えするのには、ちょっと抵抗感がありますが。 - 月光
現代のホラー
これは現代社会を題材にした軽いホラーテイストな作品である。
著者のうのたろう氏は、様々なジャンルを自在にあやつる策士であるが、それはこの作品にもしっかりとしるされている。
昔いじめられた経験のある男が、リストラされたことから話ははじまる。
世間に絶望感を抱いた彼が辿る道先で、きつねの面を被った奇妙な少年とつかの間行動を共にするのだが…。
氏が、あえて使う文字や表現も、作品のひとつの魅力である。まずは深い意味など気負わずに読んでみることをオススメする。 - CHIAKI
生きること
社会問題を考えさせられる作品でした。
生きる大切さと理不尽なこの社会との対
立が上手く描かれていて凄いと思いまし
た!
最後には希望を持ててよかったです。
今の日本の人にもっと読んでほしい作品
だと思いました。 - ねね
生きるということ
ある日突然リストラをされた主人公は、死を決意する。
最後の晩餐を、と途中立ち寄った公園でいなり寿司を食べていると、たまたま一つが地面に落ちてしまう。
目に留まった公園奥のお稲荷さんに、なんとなくいなり寿司を供え、その足で死に場所へと旅立つのだが――。
子供の頃に悩んでた事は、大人になってみるとちっぽけな思い出へと姿を変えます。
でも大人になってからの悩みは、どうしたら解決するのでしょう?
周囲の人に対する責任や、社会とのつながり、そういった物でがんじがらめになっている大人ってたくさんいると思います。
悩みは尽きる事は無いですし、時には主人公の様に死を選択したくなる気持ちも分かります。
でも、それでも生きるべきだとこの小説は教えてくれます。生きていればまた笑える日はやってくると。
過去の自分との邂逅、そして旅立ち。
良く練られた文章の中に高いメッセージ性を感じました。素敵な作品をありがとうございます。 - 昂
自分自身
いきなりリストラされてしまうところから始まるお話。
劇的な人生の変化に、持って行き場のない怒りを感じているはずなのに、どこか冷静で人事のように見ている主人公。
そして、それほど考えずに即断した結論は、「死」。
淡々としているだけに、死を選ぼうとした主人公の心情が、よりリアルに心に響いてきました。
死に場を探すために彷徨う主人公の前に現れた、一風変わった子供。
自分よりももっと淡々と、「生きていても仕方ないでしょ」と当たり前のことのように言い捨てた彼に、言いようのない悲しみを感じました。
何もかもを捨ててしまいたくなる、終わりにしてしまいたくなる、辛い状況において、何が救いになるのだろう。
読みながらそんなことを考えていました。
答えはこの小説の中にあります。
ぜひ、読んでみてほしいと思います。 - ZAK
心が軽くなる
会社を辞めさせられ、生きる希望をなくしたある男性の物語です。
死に場所を求めてさまよう主人公ですが、最後には希望を見出します。
読後はまるで心に羽が生えたかのように軽い気持ちになれました。
いたるところに伏線を張り、無理なく全てを回収する、その手腕は驚きです。
序盤から終盤に掛けて、下へ下へと引っ張る描写が多かった分、最後には鎖から解き放たれて、空に昇っていくような感覚に捕らわれました。
現在、どん底にいる方には絵空事に見えるかもしれない。
だけど少しずつで良いから、底から這い上がって欲しい、と強く思いました。 - 唱子
すごいホラー
深い。
一言で言い表すのがむずかしい。
まず、こわくないホラーにひかれ文章にひきこまれた。
読みばじめると、どんどんハマり自分も同じ場所にいるような感覚。
蝉の鳴き声一つにしても耳元で聞こえるようなリアルな感覚と、きつね少年との不思議なストーリーがより独特な世界をつくる。
余韻はハンパない。
読んでよかった
現代社会に向けたメッセージ性ある作品です。
ご無沙汰しております
久しぶりにうのワールド楽しめました
ありがとうございました - みぃな
これ、すごい!
ホラーだけどちょっとちがうホラー!
今いじめとかにあってる人は絶対読むべき
うちもこれ読んだら、逃げ出していいんだ、で、新しい場所みつけれたら前にすすんでいこうって気持ちになれた
読んで絶対そんはない
おすすめ! - yuika
わすれられないひとり鬼
名前のない大人、厳しい現実社会で生きている私は小さなころいじめられた記憶を持つ。
そんな私はこれから最後の場所をさがすなかで一人の少年と不思議な出会いをはたす。
“私”を通して何気なく見たり聞いたりしている普段のことが、ひとり鬼を読み終えた後は心の底からどれだけ意味のあるものか気づくことができました。
なんだかドキドキハラハラで温かくて切なくてなんとも言えない気持ちになるホラーです。
ぜひこの感覚を味わってほしいです、ほんとに素晴らしい!
書籍化してほしい作品の一つです - tsukane.
そうか。ひとり、鬼。
うのたろうさんの待望の新作。
独特の安定感のなか、練り上げられたキーワードは、ひとつもこぼれ落ちていくことなく、綺麗に作品としておさまっていきます。
「もういいよ」
それは一種の死の宣告からはじまり、幼いころの辛い記憶を呼び起こして。。
「もういいかい?」
ありふれた大人の事情。
何度も重ねて、くぐり抜けてきたはずの、せまい世界の出来事。
絶望のふちで出会った、不思議な面を被った少年。
そして稲荷の恩返し。
「まあだだよ」
目の前で生涯を終えたセミが一匹いても。うるさい合唱から一匹ぶんだけちいさく聞こえるわけじゃない。
でもきっと、一匹は一匹。
それは決して化かされたわけじゃなくて。つままれたというわけでもない。
すべてが交差して、自分の言葉で気付く。いつの間にかに、自分で大人になったということ。
「もう、いいよ」
生き方を見つけたなら次はまた自分が鬼。暗い過去とは反対の、自分さがしのかくれんぼが始まる。
夏の香りと閃光がすり抜けていく、スッキリとした余韻の残る作品です。