ねね

生きるということ
ある日突然リストラをされた主人公は、死を決意する。
最後の晩餐を、と途中立ち寄った公園でいなり寿司を食べていると、たまたま一つが地面に落ちてしまう。
目に留まった公園奥のお稲荷さんに、なんとなくいなり寿司を供え、その足で死に場所へと旅立つのだが――。


子供の頃に悩んでた事は、大人になってみるとちっぽけな思い出へと姿を変えます。
でも大人になってからの悩みは、どうしたら解決するのでしょう?
周囲の人に対する責任や、社会とのつながり、そういった物でがんじがらめになっている大人ってたくさんいると思います。
悩みは尽きる事は無いですし、時には主人公の様に死を選択したくなる気持ちも分かります。
でも、それでも生きるべきだとこの小説は教えてくれます。生きていればまた笑える日はやってくると。

過去の自分との邂逅、そして旅立ち。
良く練られた文章の中に高いメッセージ性を感じました。素敵な作品をありがとうございます。