彼女は牡丹 君は椿②

作者汪海妹

東京へ出て来て電子書籍の販売に携わることになったこのはちゃん。担当編集者の澤田さんに火野先生のお世話係にされてしまいます。ほっておくと静かで笑わずあまり食べない先生。気になって来るなと言われても通うこのはちゃん。一見素っ気ないけど時折見せる優しさに惹かれるようになります。花火大会に招待されたら浴衣…

「あかり……、どうすればいいんだろう?僕、君のほかに好きな人ができてしまったのかもしれない。あなたを幸せにすると約束したのに守れなくて、どうして他の人を好きになったりしてるんだろうね」


 生涯1人の人と言えるくらいにあかりは特別な人だったのに、どうして僕はまた恋をするのだろう?

 それは真実、君を愛したと言えるんでしょうか。


「わたしはね、もしあなたと一緒になれなかったら死ぬまでくだらない汚れた自分でいました。あなたがわたしを、あなたの小説の中に出てきたみたいな素敵な女の人に戻してくれたんじゃないですか。わたしはね、それだけでもう十分なの。十分もらってるんですよ」


 澤田さんが言ったことをちゃんと真に受けて、嫌がられてもいいから家にでも押しかければよかった。わたしは何にこだわって、女のプライド?プライド失うのと、好きな人失うのとどっちが怖いのよ。世界中どこへ行ったって会えなくなるなんてそんなの絶対いや。


…本文より抜粋 


1万pv到達しました!お読みくださった方、ありがとうございました。(≧∀≦) 2023.02