作品コメント
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- みさと
彼女の声が、作品から聞こえてくる恐怖
場面としては狭い病室のみで、あとは回想という至ってシンプルな短編。
作者さまの得意とする今回の“隠しトリック”は、『声』と題された節にある。
その『声』を順番に繋ぎ合わせると、亡くなった彼女の心の声が響くようになっている。
その囁くような呟くような声が、作品全体を包み込み、一層ホラー感を増している。
最後の最後まで、人形と会話する主人公。これもまた恐怖である。
ただ、“告白”というテーマに対して、同僚が発した言葉を赤字で使用しているが、その表現が少しぎこちなく感じたのが残念です。敢えて“告白”という言葉を強調しなくても、十分にテーマに沿った作品だと思いました。
これからも、練りに練った作者さまの作品、読みたいです。
ありがとうございました。 - オギクボ
ずっと一緒
病棟から始まる物語。主人公はバス事故から奇跡的に助かる。そして恋人も・・・
会社の同僚から聞かされる意外な事実とは?
「ずっと一緒」タイトル通りのラストを向かえたと思います。
ただ、バス事故は何故起きたのか?
そこら辺の伏線を絡めても面白かったと思います。欲を言えば過去をいじるとか・・・
ホラーとしては短編小説でまとまっていと思います。ぜひ、暇な時に拝読してみてください。 - 旬嘉
真実は?、
とある事故に巻き込まれた主人公は、病院で恋人に介抱される日々を送って
いる。
退院したら、などや思い出話を語り合う幸せな日々。
だが、実はその恋人は事故の時に亡くなっていて――……。
そして、彼が語りかけていたのはその恋人が大切にしていた人形だった。
人の心の脆さか、それとも本当に人形に恋人の魂が乗り移ったものなのか。
そこの曖昧さと、愛するが故に人形でもよいと思う彼の恐怖。
テーマである告白を、上手く捻った作品だと思います。