優秀なアサシンが死んだ。
彼女の欠点は唯一、女であったことだけだろう。
開くはずのない瞳が今、開く。







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平成の平和な世に生まれ、17年。





生まれる前から仕組まれていた自分の遺伝子




生まれてからは、英才教育



5歳になると

手にしたのはオモチャの代わりに、

本物の武器



7歳になると

社会勉強のために小学生に。

回った小学校は数十校



13歳になると

ラボに入って新薬の開発



16歳になると

本格的に“仕事”だけをこなした



17歳。

仲間?いや、同じ職場の他人に恨まれ、死亡。






この人生で何か思うことがあるとすれば、

『なぜ私は男に生まれなかったのか』くらい




そうすればもっと楽に仕事ができただろうに。





“彼ら”もそこだけが私の痛恨の失敗点だと言っていた







誰も通らないだろう、路地のアスファルトの上で仰向けになる私は動くことは出来ず、ただ雨に打たれる。



(今日は満月だったな)





走馬燈は雨のノイズとともに段々と消えていった。





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優秀なアサシンは、その晩死んだ。


目覚めるはずかない彼女が、目を覚ましたのは

彼女が知らない、今までとは異なった世界であった。







それも、身体は男の子の赤子となってーーー