旬嘉

13人の女性を通して覗く一人の男の人生
真木紳太郎という一人の男を取り巻く女性達の視点で描かれたお話。
使用人の深雪から始まり、同級生、旅先の女性、妻、遊女など、様々な彼女
たちの愛。

一見、どろどろとした愛憎劇を想像させるが、紳太郎がそれぞれの女性を深
く愛したことから純愛と捉えることが出来ました。

明治という時代背景も無理なく書かれていて、情景は浮かびやすかったで
す。


それぞれの女性の書き分けも圧巻で、お気に入りは菊島と詩野でした。
優しい愛、激しい愛、温かい愛。
女性の数だけ愛情の形がある。
そんなことを感じさせてくれる作品でした。


素敵な作品をありがとうございます。