時は平安時代。ある姫が入内して出会ったのは、不思議な男。帝のモノという立場なのに、心は彼に惹かれて。“この恋が、罪になる”。源氏物語の世界の物語。【改定完了】

「・・・それでも、私はあなたを愛してるいのです」






今はただ、雪が溶けて春がくるのを待つのみ・・・





そう呟いて、亡くなられた妃がおりました。









舞台は、遡ること千年前・・・華やかな京の都。







そしてその中枢で出逢った、1組の男女。







男は、全てを持つが故に、ただ己の求める唯一の愛を奪われました。





女は、全てを持たぬが故に、ただ1つの真心さえ否定されました。








果たして、彼らが出逢ったのは幸か不幸か・・・。







その答えは全て雪に埋れて、見つけられる日をただ待ち続けているのです。