きっと、あなただけ 【完】

作者嶺田 スズ

何度も、何度も、何度も。

愛しいと思ったけど、愛してると言えない想いに苦しんだ。


『結重、おいで』


その言葉は私を安心させ。



『結重、大丈夫』


その声は私を慰め。



『結重』


その瞳は私を映して優しく笑う。





“愛することって、きっと世界の何よりも単純”




震える私を抱きしめる腕は、そう囁いて薄く微笑んだ。