兜町の象徴だった証券取引所の株式売買立合場が、平成十一年四月、百二十年の歴史に幕を閉じた。
此の立合場の閉場は幾多の買い占め劇や莫大な資産を稼ぎ出す人や、判断の失敗で逃げ出し自殺した人等など多くの生臭いドラマが繰り広げられて来た所で・・・
古きしきたりに似た封建意識と先輩後輩の規律や人情入り乱れ、 駆け引きも盛んな貪欲な仕手戦の戦略が蠢いていた魂が鎮座していた所・・・
此処に我が兜町人生の半世紀を過ごした歴史の中、兜町独特の生活風習や蠢いた多くの偉人・奇人・変人・凡人の仲間たちと記憶を基に顧り見て知られざる秘話も交えて語らせて戴き・・・
また一般投資家には兜町の貪欲な世界の陰に潜んだ多くの千軍万馬の武将達の悲喜劇のドラマを餓鬼大将の人生を通じて知って戴き何にかを感じて戴ければ幸いである。