月季花
淡々と綴られる、深い愛
夏の終わり。
私が十歳の時、父が永眠した。
「毎日、家に来ても暇でしょ。みんなと遊んでくればいいのに」
「ここが、いいんだ」
父の死をきっかけに。
私は、幼馴染の隆生に恋をした。
徐々に深まる想い。
けれど言葉にすることはできず、彼に気持ちを伝えることもできなくて――
淡々と語られるストーリー。
だけど二十年の片恋は切なく、不器用な一途さに胸がきゅっとします。
周囲を取り巻く環境が変化していく中、どうしても幼い日の恋心が忘れられない。
どんなに月日が流れても、お互い、違う人と付き合っても。
静かに綴られる、深い愛。
是非ご一読を!