遠野ましろ

あああ、こんな作品をずっとずっと待っていた!
直近のレビュー経由で拝読。
も~我慢出来んっ、レビュー投下!

冒頭三頁がつまらなければ読書停止という迷惑な作戦を敢行中なんですが、見事11月のグランプリに輝きました☆

上手い。上手いですぞ姉さん! あったかい!
安定した文体とはこういうことを言う。(君、安易に使うこと勿れ)

彼女視点の一人トークなんすが凡庸にならず、文学センスも感じられる。

で、ヒロインに好感が持てたのは。誰彼呪う真似もせず、嫉妬醜い感情を正視。健気過ぎる。おしんかよ。

【透明感】

大人だからこそ成立する冷静と情熱のあいだ。真綿のような初恋。孵化を待つ卵のように大切に大切に温めて。そりゃ惚れるってアンタ。

で。隆生。反則っしょ。P.28のミエミエなテクにもろ翻弄されてP.30以降どっかーん噴火! ぐああ。貴様、いい男も大概にしろ隆生!

「我慢に我慢を重ねた末に真実を吐露する男って、何であんなにも魅力的なんですかね?」

なんかもうここが私ん中でクライマックスで、なぎさの件はおまけ扱いでしたごめんなさい。

書籍化希望。上質作家達の短編集の一本目に。