アオイ

世代を問わず、友情は大切でかけがえのないものなのだと再確認しました。
序盤からどんどん引き込まれ、最後まで読む手が止められませんでした。

おんじいと早紀の出会いを軸に、ちょこ、ミヤコ、正樹、悠介、東堂といった、様々な世代の登場人物の立場と物語が描かれています。

ある人は、正義感からホームレスの人々に食事を与えている。

ある人は、友達を助けるために援助交際や万引きをしてお金を稼いでいる。

一見間違いでしかない、他人を踏みつける犯罪行為。その裏には、個人個人の事情と人を助けたいという感情が見て取れました。

悠介の、悩み、葛藤する場面と、ミヤコの早紀に対する友情には特に深く共感しましたし、それ以外の人物の感情にも違和感なく入り込むことができました。

フィクションであるけれどノンフィクションのように感じる……身近な出来事に思える物語です。

登場人物たちの生き方や、人を思いやる気持ち。友情のかけがえなさ。そういったことについて深く考えさせられました。

友達を大切にしたい。正樹や早紀を見て改めてそう思いました。

素敵な作品を読ませてくださり、本当にありがとうございました。