オギクボ

友情の為に罪を繰り返す少女と過去にとんでもない過ちを犯してしまった老人の物語
読み終わったあと、ここまで複雑な気分になった作品は初めてです。

早紀という一人の少女は親友との友情の為。罪を繰り返します。
万引きや援助交際。どれも許されない罪ですが、すべては友情の為。もしかすると現在社会でも早紀のように罪を繰り返す少女達にも何らかの理由があるかもしれない。そう、考えさせられました。

でも、そんな早紀も人との出会いの中で成長していきます。その一番の立役者になったのは、おんじいとの出会いでした。

おんじいが過去に犯したとんでもない罪。それが復讐を生みおんじいを孤独に突き落す結果となります。

拝読中、おんじいがとても可哀相に思えました。しかし、そんなおんじいに成長した早紀が言った優しさのこもった言葉はきっとおんじいの心を温かくしたと思います。

触れ合いの中で芽生えた友情はどんなに素晴らしく、優しく温かいものなのか
この作品を拝読してて教えられた気がします。

飽きずに最後まで読者を引きつける構成力はさすがの一言です。


人の優しさを感じられる人間ドラマ。ぜひ、多くの方に読んで頂きたい作品です。