星影とと

「異議あり! 今読むべきです!」

 弁護士になりたい佐伯麻衣が訪れたのは、「鳴海『心霊』法律相談事務所」。この事務所で弁護するのはなんと“幽霊”!? 所長の鳴海俊介の毒舌にもメゲず、今日も霊案に七転八倒します!?

 まず、よくある「幽霊もの」に霊媒師でなく弁護士という切り口から攻めていくのが新しいな、と思いました。また、それぞれの章タイトルも「Case.1 不法侵入」など、それに倣っていて小業が効いてると思います。(ただ、Case.7 のタイトルなど、結末が読めてしまうものがあるのがもったいない気がします)

 個人的に、Case.3 動物虐待 のお話が特に好きです。マッキ―切ない!

 毒舌所長と女子大生助手ということで、まぁドタバタ感も満載。しかしそこはヒューマンドラマの書き手である著者様、バックグラウンドも、しっかり表現されています。登場人物達の強い意志に感動!

 全く明るいばかりの話ではないのですが、それだけに爽やかな読後感は流石です。

 秋の夜長に、一気読みいかがですか?