いつからだろう?
生きる事が苦痛に感じ始めたのは。
どうしてだろう?
今自分が、生きている事を、申し訳なく思ってしまうのは。
なぜだろう?
全部忘れてしまいたいのは。
夜、一人きりのベッドで目を閉じると、その答えが襲って来る。
思い出すんだ。
そうだ、私は……、私は『悪い奴』だったんだと。
無知で愚かだった自分の過去を引きずって、いつまでも償い切れない罪に怯えて、明日を怖がるんだ。
いつか、罰を受けるだろうと。
暗闇に浮かぶ悪夢から 逃げたかった。
忘れたかった。
息の詰まる様な静寂の夜、キョウは私の総てになった。
愛より 何より 愛おしい、私が蝕む夜の果実。
一条 恭弥
俺が全部 忘れさせてやる
お前は、そのまま目を閉じて朝まで 俺に溺れて眠れ