オトオリ
自分を見つめ直す、切ない道のり……。
主人公・アスカが自身の弱さや欠点を見直す姿が、恋愛を通して、友人との会話を通して、そして親への思いを通して丁寧に描かれています。
一文から一文への流れが若干滞ってしまう印象を受け、その点は残念に思います。が、複雑な人物関係や距離感を柔らかい言葉で表現し、情景に合ったオノマトペや比喩を使って読みやすい工夫がなされていた点は好評価でした。
主要人物達によって恋愛の難しさや楽しさ、苦しさや喜び、それからテーマでもある切なさ、様々な要素が散りばめられており緊張感のある作品に仕上がっていました。
甘い恋愛小説が溢れている中、著者の意志を感じるほろ苦い恋愛小説は新鮮に思いました。
制作お疲れ様でした。次回作も期待しております。