楽しかった趣味では解消できないほど強烈なストレスがあった。
幸せな人を見るのは嫌い。
家にも学校にも心許せる場所はなかった。
そんな私の気持ちに気付き親身になってくれたのは、お母さんの再婚で義理の兄になった人。
幸せの予感を受け入れたくなくて、だけどやっぱり幸せになりたい。そう思わせてくれた彼は優しく言った。
「俺のことは好きにならないで」
彼のあたたかい声音が、残酷なほどに胸を貫いた。
大切なものは消そうと思って消せるものじゃなく、いつの間にか心の中に存在している。
2016.07.19〜2016.08.26
他サイトにて完結済み