作品コメント
ログインすると作品コメントが投稿できます
- 星崎すず
オーディエンスになれる
作者さんの、音楽やロックバンドへの愛や情熱が溢れた物語です。
歌声が響くかのような素敵な作品。
描写や設定が非常に細やかで、ひとつひとつのシーンや台詞が輝いています。
登場する人物も個性豊かに細かく描かれているため、
ステージに立つシンガーの姿やそれを見つめるヒロインの表情が浮かぶようです。
ブログの書き込みやメール、ラジオのシーンもリアルで楽しめ、
何よりも物語中に出て来る歌詞に心が動きます。
ラストの描写も美しく、感動的です。
これも素敵な愛の形だと感じました。
長い作品ですが、リズミカルなので気持ち良く読み進められます。
オーディエンスになれます。 - 栗栖ひよ子
今までになかったような愛の結末
上・下巻合わせて、結構な量があったのに、一気に読破してしまいました。
それくらい、この作品の怒涛の展開にのめり込んでしまいました。
憧れのアーティストとの恋、というところまでは、王道のラブストーリーですが、その結末は今まで読んだどの恋愛小説とも違いました。
二人が選んだのは、まるで自ら茨の道を進むかのような選択……。
ラストシーンまで読み終えた時には、まるで主人公の濃い生涯を、自分も一気に体験してしまったかのような、力が抜けてしまったような気分でした。
人によって、とても幸せな生涯、と思うか、悲恋に身を捧げたと思うか、この作品の捉え方は様々かもしれません。
でも私には、主人公たちの姿はまるで、大人のお伽噺を読んでいるかのように、美しくて悲しくて、でもとても幸せなように感じられました。
作品の随所に登場するバンドの歌詞も、心に響くものばかりです。
アラフォーの作者様の渾身の一作。
ありがちなアーティストとの恋愛ものだと思わず、ぜひ読んでみて下さい。
読み終わった時には、新たな愛の形について、考えさせられてしまうはず。 - しょう
永遠の愛の形
愛の形は様々ですが
こんな愛の形もありなのかな…と思いました。
切ない程一途で純粋で…ひたすら約束に向かって歩く二人の姿が切なかったです。
長編ならではの様々な困難を乗り越えた二人に待っていた最高の『愛の形』に感動しました - みふう
夢のお話
話かけることも触れることも出来ずに、
お互い何十年と思い続ける二人。
そんなのキレイ事だと思いながらも、
読み続けてしまいました。
以前何かの本で、
『他人がキレイ事だと思うことも、
本人が思い続ければキレイ事じゃなく、
キレイな想いになる』という文章を読んだことを思い出しました。
何を持って幸せと判断するかは、
自分次第だから。
きっと最後に橘くんに会えた誠子ちゃんは幸せだったのだと感じました。
バンドに対する作者様の熱い思いが、
伝わってくる情熱的な作品でした。 - 伊東ミヤコ
こんな愛のかたちも…
上巻からずっと気になっていた、永遠のバンドマン橘くんと、橘くんを遠くから支えてきた誠子ちゃん。
リアルなライヴ時のMCや、ラジオでのトーク、そして、その時々にぴったりな、胸を打つ歌詞。そんな、作者様の愛にあふれた場面を楽しみつつ、読み進めていったラストは…もう、言葉では言い表せません。
知り合ったときはすでにアラフォーだった二人が選んだ愛のかたちに、わたしは少なからず疑問を抱いていました。しかし、夢物語のような約束を、本当に果たしてしまった二人。「感動」というよりも、もっと深い、今までに抱いたことのない感情を呼び覚まされたような気持ちです。
他人から見たら、幸せには見えなかったかもしれない、二人の愛。
それでも、こんなに愛し合えた二人はいないということを、きっと本人たちはわかっていることでしょう。
どうか、永遠に二人離れず、幸せに!!