小泉秋歩
考えさせられる…
「いじめ」という問題にまっすぐ切り込んだ作品です。
ほんの少しだけ周囲の子と違うところがある、ただそれだけのことでイジメの対象になってしまう現実。
そして、誰かがイジメられていても、それを止めることができない――今度は自分がイジメられてしまうから。
自分がイジメたわけじゃない、自分は何も悪くない、とは思えども、「助けることが出来なかった」という思いは、心の奥に小骨のように刺さったまま、いつまでも取れない。
これは、どこにでもある問題であり、誰もが直視しないといけない問題です。
とても色々なことを考えさせられました。
また、この作品の中では、いくつもの友情が壊れていくのですが、最後には、静かに修復されていくのが感動的でした。
たいへん良い作品でした。特に学生さんに読んでほしい小説ですね。