サホが見つけた正方形の入り口。変わり者のケイスケと出会い、妙な世界に引き込まれていく……。
2010.4.25~
追い詰められていた。
そいつに助けを求めなきゃならないほど。
「信じるか、信じないか選択するのはサホさん、あなた自身が決めることですよ」
アナウンサーのように規則正しい話し方で彼女はいった。
「……助けて」
私は、そうとしかいえなかった。
他になんとでもいえたかもしれないし、いわなければよかったのに。
「信じますか?」
「…信じ…ます…」
それがすべてのハジマリ、だった。