河川敷でふてくされた 帽子をかぶった少年
何をするわけでもなく 河に目を泳がせた
放課後のチャイム待たずに 自転車を走らせた
始業ベルの音聞かずに 自転車を走らせた
目に映るものすべてが 新しいものと感じる
聞こえた風の言葉が 心の底でこだまする
心に嘘をつきながら マニュアル化された河を下る
社会が照らした道ならば 無難に渡れると教わった
安全で平らな答えから 逃げ出すことも許されず
飛び出す勇気を持てずに 若葉の土壌は削り取られた
明日世界が終わろうとも
少年は未来の苗を植える
小さな箱庭の中だけで
閉じ込められるのはご免だ
つきつけられたものに怯え
何一つ言えなかった日々よ
定められた尺度に惑う
眼差しはどこかに棄てて
隠れて行った街角で
目に見えたたくさんの夢
こぼれおちた痛みを抱き
どこまでも走り続けた