主人公はミルカ・アールトネン、十八歳。
彼女は、貴族の中で唯一ドラゴンの飼育を任された家の出であり、ドラゴンについては誰よりも詳しかった。
ある日ミルカは、王家の聖なるドラゴンが育たなかった責任を押し付けられ、皇子との婚約破棄&北方辺境への追放を言い渡される。
北方辺境は、野生のドラゴンが多く棲息する、極寒の流刑地だ。
失意のうちに北方辺境を訪れたミルカが出会ったのは、二十六歳の美形な辺境領主ヴォルテールと、彼のドラゴンだった。
ミルカのドラゴンに関する知識は北方辺境にとっても貴重なものであり、彼女は快く迎えられる。
火吹き種と呼ばれる貴重なドラゴンに気に入られたり、ドラゴンたちの病を究明したりしながら、ミルカは忙しいが穏やかな日々を過ごしていた。
――そんなある日、魔法絡みの陰謀が彼女たちを襲う。
ドラゴンが持つ魔法の秘密を解き明かしつつ、辺境領主との牛歩なラブストーリーをお楽しみください。
この物語を全ての長女に捧げます。