春の夜。人殺し(しょうじょ)は、人殺し(しょうねん)と出会った。
人殺しのみにくい恋/毒原春生
高校生の夏目柚木は、生まれつき「殺人欲求」を抱えた人殺し。
頭の中で行う殺人と時折行う殺人を使い分けることで、その異常な欲求が暴走しないよう努めながら生きてきた。
しかし高校二年の春の夜、自分と似た「殺人衝動」を抱えた人殺しと邂逅してしまう。
少年の名は、雪町宗介。
夏目と同じ高校に通い、委員会を同じくする一つ上の先輩だった。
春の夜に邂逅した、二人の人殺し。
これは、歪んだ二人が綴る春夏秋冬の物語。