炎、水、地、風の精霊に愛されしササン王国では、百年に一度の祭り〃精霊の涙〃が開催されていた。この祭りは十年に亘り、王家の未婚の姫たちが精霊を祀る巫女の役目を担う。この祭りが行われる数年前、王国は謎の疫病〃白眠病〃によって、全国民の四分一が死去。王家の姫もふたりしかおらず、祭りが始まってから五年、姉のリーディレ姫が巫女の役目を一身に負っていた。
一方、妹のラクリマ姫は、白眠病の収束後〃笑う〃ことができず、腕には醜い黒い痣が残ったため、周囲から巫女失格と言われていた。そんな彼女の心を支えていたのは、幼き日に出会った精霊との約束だった。
そんなある日、彼女の前に四人の美青年――イーグ、ラクス、テッラ、ウェンが現れる。彼らは精霊だと名乗り、ラクリマにこの中の誰かひとりと結婚してほしいと求婚してくる。