プラネタリウム「スペース・ドーム」に勤める解説員、星歌と天文台の研究員である星歌(せいか)の旦那、空人(そらと)。
お互い星が大好きで、星座が大好きで、宇宙を愛して惹かれあった二人です。
でもいつしか、星々は星歌の苦痛の一つになってしまいました。その理由は、空人が星ばかりにかまけてしまい、星歌が空人と一緒に過ごしたいと思う記念日まで空人を星に奪われていってしまうからです。
もうすぐ獅子座流星群がやってきますが、きっと空人は星歌を放って天文台に入り浸り、星歌はひとりぼっちになってしまいそうです。気落ちする星歌に職場の後輩は、思う存分、獅子座流星群を楽しんではどうか? と提案します。
一念発起、空人なんて知ったことではない、とある計画を練った星歌。流星群当日、非番であるのをいいことに、おひとり様で流星群を満喫しようと思いきや、空人が帰宅! なんとか冷たい態度で空人を締め出そうとする星歌ですが……空人は星歌も全く忘れていたサプライズを用意していました。
やけっぱちになった星歌の怒りは流星のように消えてしまいます。やはり天文ばか夫婦を結びつけるのは、天の星々なのでした。
これは、星歌がもう一度、星への愛を取り戻すまでのお話。
*「カクヨム」さんでも掲載しています。
表紙の美しい絵は作家仲間の薮坂さまにいただきました。