3XXX年。人類の記憶、生きている証は好翠(こうすい)という、宝石に似た結晶に封印されていた。好翠は持ち主が生まれた時にへその緒の代わりについており、その瞬間から好翠は現在までの記憶を結晶に封印する。なので好翠は人間にとっての必需品であり、それは就活、面接などにも使われるもはや人類の体の一部なのである。私立の高校に通う、男子高生の西園寺薫は人よりも好翠の力が強く、記憶に苦しめられていた。そんなある日、翡翠という17歳の少年と出会う。薫は翡翠と親しくなっていき、次第に薫は翡翠に惹かれていく。そんな幸せの日々の中、薫は翡翠のある秘密を知る。「僕、好翠がないんだ」これは記憶力を恨む薫と記憶を愛す翡翠の儚く美しいボーイズラブ小説。